【運送業許可】営業所と車庫が離れている場合の問題点
ツイート一般貨物自動車運送事業(以下、運送業という)を営むためには、国土交通大臣の許可を得なけらばなりません。
運送業の許可を取得するためには、一定の要件をクリアしなければなりません。
「営業所」、「車庫」があることも要件の一つです。
「営業所」と「車庫」は原則併設していなければなりませんが、併設できない場合には一定の距離制限内で離して設置することも認められています。
詳しくはコチラ(営業所と車庫の距離)をご覧ください。
一定の距離制限内なら話して設置してもよい「営業所」と「車庫」ですが、この2か所の距離が近ければ良いのですが、離れている場合にはある問題点が浮上します。
営業所と車庫が離れる事による問題点
営業所と車庫が離れる事によって問題になるのは「点呼」と「日常点検」です。
点呼実施場所が「営業所」の場合、事業場自動車は「車庫」で「日常点検」の後、整備管理者の運行可の判定を受け、営業所で運行管理者による「点呼」を完了しなければ運行することはできません。
「日常点検」の前にトラックを営業所まで運転することはできませんので、この場合「車庫」から「営業所」までトラックを移動することもできません。
ここで、「営業所」と「車庫」の距離が近ければ問題になりませんが、離れることで問題が浮き彫りになります。
例えば、「営業所」と「車庫」が10km離れているとして、「点呼」を受ける場所は「営業所」、「営業所」と「車庫」を自家用車で移動し、運転者が自分の運転する車両の「日常点検」をするとした場合、以下のような流れになります。
車庫で日常点検 ⇒ 営業所(点呼場所)に移動(10km)⇒ 運行管理者による点呼 ⇒ 車庫に移動(10km)
これを毎日することになります。
これは現実的ではないので例えば、「点呼」実施場所を「車庫」とし、運行管理者が車庫まで移動するといった方法や、「日常点検」を運転者とは別の誰かに全てしてもらうことにすれば、運転者が「日常点検」のために「車庫」に行く必要がなくなるので、前述の工程を一つ省くことも可能です。
「営業所」と「車庫」の位置が離れてしまうと、こういった運行管理に支障がでてしまうことになるので、安易に賃料等のみで決定せず、運行管理も含めて十分に検討するべきでしょう。